通信制高校の学費が滞納してしまったら

通信制高校に通っている人の中で、家庭の経済状況が厳しいという人や、自分でアルバイトを頑張って学費を払っているという人は少なくありません。

全日制高校に比べると学費が安い通信制高校ですが、それでも通ってみると思っていたより授業料が負担になってしまったというケースはあります。

もしも通信制高校で授業料が払えず滞納してしまったらどうなるのでしょうか。

滞納してしまった場合の対応策や、授業料を滞納させないための注意点も合わせて解説します。

通信制高校の学費が滞納したらどうなる?

もしも学費が支払えず滞納してしまったらどうなるのでしょうか。まずは学校側の対応を解説していきます。

通信制高校で学費が滞納した状態が続くと、まずは学校から通知が来ます。書面などで、授業料が未納となっている件が伝えられるかと思います。

もしもそこで経済的理由により支払いができないということであれば、支払いに関する相談を学校側と行うことになります。支払いが可能になる時期はいつかといったことや、誰がどのように支払うかなどの計画を相談します。

そこで今後の支払いについて学校側と合意することができれば、今すぐに支払いをしなくても大丈夫です。

しかし、もしそれでも問題が解決しなかった場合、何かしらの処分がなされる場合もあります。

学費を滞納しても除籍になることはない

この対応は学校によって異なりますが、通信制高校においては学費未納が原因でただちに除籍となるケースはほとんどありません。

厳しい学校でなければ、卒業後の支払いを認める場合もあります。
しかし、私立高校の場合、支払いが終了するまで卒業させず留年扱いとなってしまうことも多いようです。学校にもよりますが、公立高校では、私立高校に比べて緩やかな対応になりやすいと考えられます。

いずれにせよ、まずは学校と相談する上で、支払計画をしっかり立てなければいけません。

通信制高校の学費が滞納したらこうしよう

もしも授業料が支払えなくなってしまったら、まずは利用できる奨学金や給付金制度がないか今一度確認してみましょう。

通信制高校でも、「高等学校等就学支援金制度」を利用できます。この制度では、家庭の収入状況にもよりますが、公立の通信制高校では授業料が無料になります。

私立の通信制高校では、授業料のうち年間約12万円が減額されます。経済状況が厳しいという家庭はほとんど利用している制度ですが、申請し忘れていないかどうか確認してみましょう。

他にも、日本学生支援機構による奨学金や、地域の奨学金制度などを調べてみましょう。

学費の安い学校に転入

そういった各種制度を利用しても学費が滞納してしまう場合は、学費が安い他の通信制高校に転入してしまうという方法もあります。

万が一除籍扱いになってしまうと、その学校に入学したこと自体がなかったことになってしまうため、それまでに取得した単位もゼロになってしまいます。

しかし、転入ならば前の学校で取得した単位を生かすことができます。

めったにないことですが、万が一除籍処分の警告が来てしまったら、その前に自主退学をして学費の安い学校に入り直したほうがいいでしょう。

また、今は滞納していないけれどこれからは厳しそうだという人は、年度末での転入をおすすめします。

年度の途中で転入してしまうと、前の学校であらかじめ支払っていたその年一年分の授業料に加えて、新しい学校での一年分の授業料も支払わなければならないからです。

つまり、授業料が2校分必要になってしまうのです。また、履修している途中の授業もあると思いますから、できればその分の単位をしっかり取ってから次の高校に移りたいですよね。

通信制高校の学費を滞納させないために

ここまで通信制高校の学費が対応してしまった場合の対応について解説してきましたが、できればそのような事態は事前に防ぎたいものです。

まずは、学校選びの時点で、かかる費用について慎重に調べておきましょう。

通信制高校に通うには、単位の取得にかかる授業料以外にも、教科書などの教材費や施設費などが必要になります。他にも、修学旅行などの学校行事に参加する場合は、その費用が高くなる場合もあります。

入学当初は学校行事に参加するつもりがなくても、後から参加したくなることもありますので、調べておくべきでしょう。

計画を立てて3年間で卒業しよう

また、学習計画をしっかりと立て、3年で卒業するということが重要になります。落としてしまった分の単位については、それを取り直すためにまた授業料を払わなければいけなくなります。

ですから、卒業に必要な単位を確実にとれるように自主的に学習を進めていきましょう。

もし4年5年と在籍年数が伸びてしまうと、その分施設費などが毎年かかりますので、出費はどんどん重なってしまいます。

学費の安い通信制高校では、先生によるサポートが少なく、自分の力で学習を進めなければいけない場合がほとんどです。

家族など周りの人にも協力してもらいながら、3年で卒業できるようにしましょう。


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