最近、通信制の高校が一般化してきています。高校生全体の人数は減っていますが、通信制高校の生徒だけでいえば増えている状況。
しかし通信制高校のイメージってつかみにくいですよね。
通っているイメージとか、カリキュラムとか。また大事なお金のことまで。よく分かっていない方が多いです。
今回はなかでも東京都立の通信制高校の学費事情にフォーカスして、私立通信制高校や都立普通高校との学費の違い、また値段の秘密に迫っていきます!
増えゆく通信制高校
人の生き方が多様化している中で、皆と同じ生き方という選択肢の絶対性が薄らいできています。
自分の生き方を早くから見つけた人や、不登校になってしまった人、普通高校が嫌な人などたくさんの人がそれぞれの理由で通信制高校に通うようになりました。
少子化で学生の数は減っているのに、通信制高校に入学する学生の絶対数も、高校数も増えているのです。TV番組でとりあげられることも増えました。
一番気になる都立通信制高校の学費
一般化してきたとはいえ、通信制高校のことを理解している人は少ないです。その理由は通信制高校が多様化しているからです。
多くの私立の通信制高校は、学校が独自のカリキュラムと独自の制度で運営を行っています。したがって、通う回数や選択したコースによって全く内容が異なります。
しかしながら都立の通信制高校のカリキュラムや学費というのは都道府県ごとに決められている為、全高校で一定です。学費は以下のとおりです。
- 入学金…500円
- 受講料…一単位当たり24.864円(336円×必要単位74単位)
- その他教材費等
1年で約3万円。卒業するには9~10万円がかかるということですね。
これは高いのでしょうか。
よく分かりませんよね。そこで、私立の通信制高校と、都立普通高校の学費を比べてみます。
私立通信制高校や全日制高校と比べてみよう
まずは私立の通信制高校から。上でも述べたとおり、私立の通信制高校は通う学校、通う回数、授業内容によって全く異なってきます。
今回は都立通信制高校の週に1日の登校日数を基準にして比較します。
週に1回ほど登校する私立通信制高校の一つ、一ツ葉高等学校を例にあげます。
この高校は入学金、キャンパス費用、設備費で35万円ほど、それに加え1単位当たり授業料が7000円×25単位で18万円程です。合計で50万円ほどです。ということは三年間で150万円ほど。
これくらいが平均です。実際はもっと幅があります。1年間の学費は大体20万から90万ほどまでと言ったところです。三年間で言うと60~240万円ですよね。
また都立の全日制高校の場合、1年間にかかる学費は12万円弱です。三年間では36万円程です。
以上をまとめると、卒業までにかかる平均の学費は以下の通りです。
- 都立通信制高校…10万円
- 私立通信制高校…60万円
- 都立普通高校…36万円
学費よりも大切なこと
以上、学費に関する比較をしました。都立のほうが断然安いですね。
私立の方が高くて、都立のほうが安いから都立の通信制高校にしようと考えてるあなた!甘いです。
安いにはそれなりの理由があり、高いにもそれなりの理由があります。
一般に都立の通信制高校は、進路のサポートや不登校になってしまったときのサポートが手薄いと言われています。学費が少ない分、そこにかける費用が削られているからです。
都立の通信制高校はただ高校卒業認定がほしいという目的だけなら良いですが、その先の人生設計を考えると、サポートが行き届いてないという印象を受けます。
(都立だけど進路に力を入れているという通信制高校もあるというので一概には言えませんが)
あなたの将来設計はいかがですか?なかなか1人で決めてくのは厳しいという方、大人やプロのサポートを受けたい方は私立の通信制高校でも良いような気がします。
私立通信制高校は学費が高い分、サポートは手厚いところが多いです。
どこがオススメとは一概には言えません。あなたの人生ですから、一番自分が行きたい学校に行くべきでしょう。学費は二の次です。
学費免除について
「いや、そんな金銭面の余裕がない!二の次なんて言ってられない」という方、学費免除の方法がいくつかあるのを知っていますか?
一番有名なのは、就学金支援制度です。
親の年収が910万円未満であり、国が指定した通信制高校であれば、支援金がもらうことができます。
都立高校は無償になり、私立高校は年間12万円の補助を受けることが出来ます。
また奨学金制度や、特待生制度、教育ローンなどを利用することで学費を抑えることが出来ます。全額はなかなか厳しいですが、減額できる可能性なら大いにあります。
一度調べてみると良いでしょう。
まとめ
都立の通信制高校の学費についてまとめました。いかがでしたか?
都立の通信制高校はとても学費が安く済み、学費免除を使えれば学費をタダにすることも可能です。
経済的という目線から見れば、とても良い!
しかし進学、就職、など進路面でのサポートや不登校になった際のサポートには不安が残ります。
自分の人生設計を考えて、どの高校に進むべきかを考えるべきでしょう。